福島県大沼郡会津美里町(JCG:07006G)/福島県大沼郡昭和村(JCG:07006E) 博士峠
福島県の会津美里町と昭和村の境界にある博士峠は、会津盆地から南西側に離れた山深い場所にあります。
人の居住地域から離れている為か、各社の携帯電話も圏外になります。
会津盆地からこの峠を経由して昭和村,さらには群馬県に抜ける道は国道401号線で、
少なくとも会津盆地から昭和村にかけては一部工事中箇所を除いて舗装道です。
大きな街から離れている事を除いては、決して行くのに苦労する場所ではないと思います。
ただし峠地内は道幅がそれほどなく、大型車同士のすれ違いは困難です。
峠現地は、北から西が博士山ピークになる為望めませんが、その他の三方向にはおおむね開いており。
標高が1,000m以上ある事もあり、VU以上のグランドウェーブもある程度望めます.
実際に50MHzでの南関東の局は強力でしたが、関東平野に抜けるまでには更に高い山もありますので、
ある程度限定的な強さであった印象があります。
ただし実際の峠からの眺望は、木立ちがある為に全く望めません。
峠は博士山への登山口にもなっており、その事を意識してか非舗装の広い駐車スペースがあり、
その一角で運用すればいいでしょう。
ただし、問題はその中でどこが会津美里町と昭和村との境界なのかわからない事です。
峠には会津美里町側から登ってきたコーナーの道路脇の一角に、国土交通省が設置した会津美里町と昭和村を分ける標識があります。
一方国土地理院の発行した地図によると、その境界はそのコーナーから大きく西側に行った道路直線部ににずれ、
その駐車スペースの真ん中で分かれているか、下手をすると駐車スペースの西側エッジが境界のようにも見えます。
また、現地には具体的に何か境界を示すような杭や目印などもありません。
この正しい境界の件については、事前に両方の自治体に問い合わせをしてみましたが、
会津美里町からは回答はいただけませんでした。
昭和村からは回答をいただきましたが、担当者でさえも国土交通省の標識の位置が境界と認識していたようで、
国土地理院の地図の内容を照会すると、大変驚いていました。
国土交通省の標識の位置は、他の場所の事例でも不正確な事が多く
(この移動地ガイドの山梨県大月市と小菅村の事例などぜひ参照下さい、私も昔完全に騙されていました。)
信頼性は国土地理院の地図の方がずっと高いのですが、その国土地理院の地図も全国にあまたある境界線を
寸分たがわず正確に示しているとは言い難く、実際現地に行ってみておかしな事例を見た事が複数あります。
その国土地理院のネット地図サービスの中には、地図と航空写真を重ね合わせて見る事が出来るものがありますが、
この場所では地図と写真の双方で国道を基準にして見るとずれがあり、地図上の境界をそのまま写真にあてがって見る事にも無理がありそうです。
(国土地理院の航空写真の中には1980年代に取り壊された建物がまだ写っている場所もあり、地図の信頼性と比べて写真の信頼性は『?』です。)
そうなると重要なのが地元自治体の情報ですが、その情報もあやしいとなると
とりあえずここでは常識の範囲内で、JARLの言う「本人の宣誓を優先する」を適用するしかないでしょう。
グランドウェーブの電波は良く飛ぶ場所ですので、ここではその事は深く考えずに運用を楽しんでいただいた方がいいでしょう。
ただ、この場所でどうしても避けて通れない問題は『クマ』さんの存在です。
ただでさえクマが多い奥会津の博士山周辺。昭和村の情報によると、今年(2018年)春から夏の間だけでも
すでに複数件のクマ目撃情報が峠地内(沢づたいではなく)で寄せられているとの事です。
特に暗い上に通行量がほとんど無くなる夜間の長い時間の滞在は禁物だ、 とのアドバイスでした。
私は昼の間の滞在でも峠を通過する車の通行の合間にクラクションを鳴らしたり、爆竹を焚いたりしていました。
この峠を通る国道401号線峠周辺は、道路改良やトンネル工事などで通行止めになる事もあるようで、
この場所に移動を検討される方は、事前に通行可否情報も良く確認ください。
また雪深い場所でもあり。冬季は長い期間通行止めになります。(雪の降り方にもよるが年間100日前後)
トンネル工事はこの冬季の長い通行止めを解消する事が主目的で、2020年の開通を目指しているようです。
昭和村の情報によると、峠道はトンネル開通後それぞれの町村に払い下げられる予定だそうです。
ただし問題はそれからで、通行がほとんど無くなる道路に対して何か災害が発生した場合
町村の少ない予算で復旧できるかはわからないそうです。
ひょっとしたらこの峠への移動は、今のうちの方がいいかも知れませんね。
(トンネル工事情報)