岩手県宮古市(JCC:0303) 峠ノ神山
 
 
一番下に、2013年夏の最新記事・写真・ビデオを加えました。
最新の情報も合わせて参照下さい。
 
 
 私は以前、東北全域で広範囲にわたって主に 50MHzで移動運用を行ってきました。

最盛期には、1年約 52週あるうち 50週末移動運用に費やしていた年もありました。

ではその時、あとの 2週末は何をしていたのか?

実は秋口に 2週末連続で台風が上陸し、その時だけやむなく家で待機していたのでした。

すなわち、あとは雨が降ろうが, 雪が降ろうが, 風が吹こうが, 雷が鳴ろうが

移動運用をしていた事になります。


 当時の私の移動運用の一つの考え方は、

「写真を撮る時間があるくらいだったら 1局でも多く交信する」 でした。
 
当時は今と違い、局数も多い黄金時代の中でした。

この考えは、途中で「やはり記録は残さねば」と改め

多少なりとも撮影してきた物を、今このコーナーで紹介させていただいている

訳なのです。


 そういった訳で、写真・ビデオ等の記録が無いながらも

非常にV/UHFの電波の飛びが良く、強い印象の残っている移動地も多くありますので、

そういったポイントもあわせて、地図を使っていくつか紹介させて

いただこうと思っています。


 前置きが非常に長くなりましたが、

今回は岩手県宮古市の 峠ノ神山です。

山と言いましても、実際の頂上ではなく頂上の 150〜200m下まで広がる

牧場の一番上のへりに道路が通っており、私はその広くなっているところから

運用しました。


 しかし現地は、添付のシミレーションを見ていただいての通りの南方面のロケーションでして、

これを見る限りは、とても南には飛びそうではありません。


このポイントに初めて訪問したときに、私は FMラジオでロケハンをしながら

条件の良い設営場所を探していました。

周波数は 80.0MHz。 TOKYO FMの周波数ですが、岩手県でもありますので

それが聞こえる事は期待せず、同じ周波数に東北管内の NHK FMの小さな

中継局がありましたので、それを探していました。

道路の最高の標高部分に近づくにつれ、何やら弱い放送が聞こえて来ます。

ところが何と、混信を受けながらも聞こえてくるその内容は

東京都内の交通情報ではありませんか!!


 私はあわててまずモービル機で、50MHzの Esの発生の有無を確認しました。

Bandは至って静かです。バズ音もありません。

半信半疑で道の脇の草むらに車を止め、アンテナを設営し 50MHzの運用を始めると、

関東全域から呼ばれるわ呼ばれるわ・・・


 後から冷静に考えてみると、どうも当日強いダクトが発生していたようです。

このポイントの標高も 1,000mを越しており、非常に高いのですが、

断面図を見てもおわかりのように、ちょうどいい距離に山岳回折に適した位置に

山があり、その事も幸いしているように思います。


 しかし、いずれにしましても南関東までは 500Km近い距離があり、

50MHzでは純然にグランドウェーブだけでは苦しいことも確かですので、

このポイントへの移動は、そう言った異常伝搬も期待しうる時期をお薦めします。

Es or ダクト+グランドウェーブの伸びで考えると、6月〜8月くらいでしょうか。

ちなみに、私が何回か移動したのは全て 8月のお盆休暇の時期でした。


 具体的なポイントとしては、あまり地図上の「新里放牧場」まで入り込むと

別の山がブロックしますので、地図上のマークから山の頂上直下くらいまでの間

が一番いいようです。
 
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1995年運用地の拡大地図。
少し引いた地図。それ以降の年の運用地との合成鳥瞰写真は更に下の追加記事をご覧下さい。

 南方面のCGビューです。現地は牧場で立ち木がほとんどありませんので、ほぼこのビューが確保出来ます。

 
2013年夏にこの地域に3回目移動を行いました。以下、その記事・写真・ビデオを加えさせていただきます。
 
 まず下のグーグルアースのコピーをご覧ください。
 
 
 今回2013年の運用ポイントは「P1」、西側の和井内方面から入りました。
 
峠ノ神山のピークと尾根からもギリギリ外れて北〜北西も望みうる場所です。
 
 
 
 1995年8月のポイントは「P3」、東の宮古市街方面から入りました。
 
1997年8月のポイントは「P2」、同じく東の宮古市街方面から入りました。
 
 
 「P2」と「P3」は、北方面は山と尾根にブロックされます。
 
ただ、全てのポイントにおいて南方面はロケが良く、ある程度のアンテナを使用すれば
 
50MHzでの実績では十分関東とのGWでの交信が望めます。
 
 
 この峠ノ神山南斜面には、二つの牧場が有ります。
 
「新里牧場」と「亀ヶ森牧場」です。
 
「P3」にはこの牧場分けるゲートが有り、その開閉状況と、東西どちらからアプローチするかによって
 
運用ポイントが左右されますので注意下さい。
 
 
 
 1995年は、東の宮古市街側からアプローチして、このゲートが閉まっていた為、
 
上の写真のゲートの横の小広くなった場所にアンテナを設営して運用しました。
 
まだ車で入れる最高標高に達していない場所でしたが、ここですでに関東のFMラジオがかすかに入感しており、
 
実際50MHzでも多くの関東の局と交信出来ました。
 
 
 その間、何名かの車の方がゲートを開けて通行して行きました。
 
中には、どう見ても牧場関係者とは思い難いような感じの方もいらっしゃいました。
 
 
 1997年は、同じく宮古市街側からアプローチして、このゲートが開いていた為、
 
そのまま通行して最高標高地点に近い「P2」で運用しました。
 
 
 
 今回2013年は初めて西の和井内側から入り、帰りに宮古市街に降りる為にこのゲートの所まで来ましたが、
 
閉まっておりましたので、諦めて西の方に降りました。
 
 
尚、この間の2011年11月にグーグルのストリートビューが、撮影のためにこの山道を走っています。
 
この時はこのゲートが開いており、この前後のほぼ全ての道路状態が撮影されています。
 
 
 どうもこのポイントで北方面も意識した移動をする場合は、西側からアプローチした方が良さそうです。
 
東側から入って、ゲートが閉まっていたらおしまいです。
 
尚、このポイントから西経由で宮古市街に向かうには、遠回りになりますので時間の余裕が必要です。
 
 
 また、このポイントは夏季はアブが多く注意と覚悟が必要です。
 
 
現地のビデオはここをクリックしてご覧ください。
 
 2017年夏に宮古市内の方に伺った情報によると、
宮古市街側からのアプローチも含め、大震災・2016年の台風の影響もなく通行可能との事です
また、「新里牧場」と「亀ヶ森牧場」の境界のゲートはここの所ずっと開いているものの
閉まっていても通行の際に開けて、また閉めておけば問題は無い旨情報いただきました。
 
 
 南向きの鳥瞰図。見てくれの直近の山は近いんです。それでも夏季50MHzで必ず遠い関東と交信できる不思議な場所です。
 北向きの鳥瞰図です。2013年の移動ポイントはギリギリ北~北西も望めます。岩手県最北部の50MHz固定局強かったです。
 
 
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