静岡県沼津市(JCC:1803) 西伊豆スカイライン戸田駐車場
静岡県沼津市は、静岡県東部の富士山の南側・伊豆半島の付け根の駿河湾沿いにある人口19万人ほどの市です。
標高の高い場所は富士山の麓の愛鷹山が市の北側にありますが、車で入れる道は無いようです。
むしろ平成の自治体の大合併で沼津市に合流した伊豆半島側の旧戸田村(へだむら)の方に、
1000m弱の標高に入れる観光道路があり、今回はそのポイントを紹介させていただきます。
そのポイントは移動地として有名な達磨山のすぐ脇を走る、西伊豆スカイライン上にある「戸田駐車場」です。
西伊豆スカイラインは、伊豆半島を少し入った西部の山の稜線付近を南北にうねうねと走る
アップダウンとカーブが多い観光道路です。有料道路ではありません。
特に北側の戸田峠から達磨山をはさんで南側の土肥峠の間は、道路わきに大小の駐車スペースが多くあり、
その標高もあって、この地域からのVHF・UHFの移動運用を聞かれた関東・東海の局は多いのではないかと思います。
ただそのほとんどは沼津市と境界を接する伊豆市側にあるようで、おそらく沼津市側に位置するのはこの「戸田駐車場」くらいではないかと思います。
実はこの戸田駐車場も、本当に沼津市なのかどうかは議論がある場所です。地図によって境界線の位置がまちまちなんです。
ぎりぎり駐車場は沼津市側になっている地図、境界線は道路の真ん中を走っている地図、
比較的信頼性が高いと見られる国土地理院の地図に至っては、駐車場どころか境界線はその西側の土手の下を通っています。
すなわち国土地理院の地図では駐車場は完全に伊豆市側になります。
しかし、国土地理院の地図も全国十数万Km(?)にも及ぶであろう境界線を全て寸分たがわず描いているわけもなく、
この移動地ガイドのコーナーで取り上げさせていただいている数少ないポイントの中でさえも、いくつかおかしな場所があります。
またこの駐車場の中には沼津市が建てたと思われる看板が二つあります。
一つはここが「戸田駐車場」である旨の看板。(旧戸田村、すなわち現在の沼津市)
もう一つは戸田エリアの観光マップ。看板は「沼津市観光戦略課」が作ったものである旨も明記されています。
事前にこれらの事を認識しておりましたので、前もって沼津市にこの駐車場の境界線について問い合わせをした事があります。
後日この「観光戦略課」からいただいたメールの回答には初めて聞く新説も含まれていました。
曰く、「沼津市と伊豆市の境界線は、この駐車場の中を通っています。」
ただし具体的に駐車場の中のどこを通っているのかは説明がありませんでした。
ここまでくると、個人レベルではどちらが正しい・間違っているの判断は難しいので、
JARLの言う「不明確な場所は本人の宣誓を優先する」を適用して、ここでは当局は沼津市で運用しています。
伊豆市としての運用を希望される方は、このスカイラインの戸田駐車場前後にもっとロケの良いポイントで
確実に伊豆市の場所がいくつもありますので、そちらを利用ください。
距離もお互い近いので、十分はしごも可能と思います。
前置きが長くなりました。次にこのポイントへのアクセスについてです。
ここは東名高速や新東名高速の沼津・長泉近辺のICからもそこそこの距離があります。まずは達磨山か西伊豆スカイラインを目指して下さい。
北の戸田峠を経由するか、少し遠回りをして南の土肥峠を経由して登るか二択がありますが、両方そう大きな差はありません。
ただ戸田峠経由の場合は修善寺の温泉街の多少ごちゃごちゃした所や、途中にいろいろな観光施設がある所を通り、
土肥峠経由の方は間に何もなくすんなり峠まで行けます。
達磨山のすぐ南側の登山道入口がある駐車場が、この戸田駐車場です。
また伊豆地域まで来る手前の三島近辺は、週末には道路によって激しい渋滞が発生します。時間に余裕をもって動いてください。
現地の駐車場は下に写真を掲載しましたように、おおよそ10台ほどのキャパです。この前後にも駐車場が多い為ここだけが混雑する事は少ないようですが、
西側駿河湾方面に非常に良い眺望がある上に達磨山の登り口にもなりますので、晴れた週末の日中には満杯になる事もあるようです。
ここでの運用を計画される方は、日中早めに現地に入った方がいいでしょう。
この駐車場の中でもベストの場所は、下の西側CGビューを見てもお分かりのように南からのびる尾根を避ける為に、一番達磨山に近い側です。
尚この場所は、有料道路でもなく程よいアップダウンとカーブが続く為、いわゆる「走り屋さん」が多くやってきます。
東京の奥多摩周遊道路とまでは言いませんが、良く晴れた週末にはバイクと車による騒音でそれに近い状態になり、
その場合、日中はフォーン系の運用はあまりお勧め出来なくなります。
また此処とこの前後の駐車場には、お手洗いや水道は無いようです。注意して下さい。
電波の飛びに関しては、西方向は下のCGビューのような眺望がありますので、
小型の八木アンテナでも144・430のFT8では多くの関西の方と交信出来ました。
また4エリア・5エリアの方とも交信出来ましたし見えていました。
逆の関東方面は開けていますが、近くの達磨山の尾根が邪魔をして、交信は十分可能ですが標高880mほどの強さではなかったように思います。
この地域は冬の移動には注意が必要です。特に西に開けているロケも手伝って、「大西」と呼ばれる冬の季節風が強烈に吹き抜ける日があります。
そのような日にぶつかると、アンテナを上げるどころではなくなります。
現地の北緯と東経を下に示しておきます。下の『』の中の赤文字をコピペしていただいて、
グーグルアースかグーグルマップの検索の中に埋め込んで検索ボタンを押していただくと、画像が現地に飛びます。
『 34°56'59.85"N138°50'16.69"E 』
最後に 当局はグルメには関心が無いのですが、興味をお持ちの方に。 沼津地域や静岡県東部方面には他ではあまり見ない独特な食文化があるようです。
それは 「いるか肉料理」 です。 実際沼津市内にいくつかそのメニューを扱う食堂や小料理屋があります。 またスーパーマーケットでも売っています。
当局は幼いころに給食でも出てきた鯨肉の竜田揚げは大好きですが、いるか肉は食した事がありません。
現地の拡大地図です。達磨山の南側の登山道のすぐ脇にある駐車場です。
少し引いた地図です。戸田集落が遠くに見えます。この駐車場はNTTDocomoの携帯でぎりぎり圏内でした。
更に引いた地図です。伊豆半島の付け根の西側に位置します。沼津・長泉近辺の高速道路のICはこの地図より更に北です。
現地から都心までの直線図です。箱根や丹沢などの陰にはなりません。箱根の外輪山が多少かかります。
現地から都心までの断面図です。直近の達磨山の尾根と箱根の外輪山の一部が少しかぶります。
現地から大阪までの直線図です。
現地から大阪までの断面図です。西側はすぐ駿河湾に直接ストンと落ちていきます。
現地の写真です。見ての通りすぐ道路沿いの駐車場です。あまり周りに威圧感を与えるようなアンテナの上げ方はしない方がいいでしょう。
「戸田駐車場」。標高は880mもあります。
その880mからの西の眺望です。当たり前ですが下のCGビューと同じですね。
同じ駐車場の中にある戸田エリアの観光マップです。この地図では右側が北です。沼津市観光戦略課作成の看板です。
現地の上空写真です。西が開いていると言っても意外と開いている角度は狭い事がわかると思います。富士山もちょうど達磨山の陰で見えません。
現地から西向きのCGビューです。関西方面は目の前には何も邪魔をするものはありません。
現地から北東方面のCGビューです。達磨山からの尾根がかぶります。