山梨県南都留郡富士河口湖町(JCG:17008J) 林道西川新倉線
山梨県南都留郡富士河口湖町は、平成の自治体の大合併で誕生した南都留郡の中では一番新しい町です。
合併以前の旧「河口湖町」と旧「上九一色村」の南側およそ半分が合わさり現在の形になっています。
人口は約2万6千人。富士山のすぐ麓に位置し、河口湖・西湖・精進湖と本栖湖の一部を有する観光の町です。
また山梨県内では唯一「町」の読み方が「ちょう」ではなく「まち」になっています。
今回案内させていただく「林道西川新倉線」(にしかわあらくらせん)は、町の東側の富士吉田市との境界で
富士山の眺望で有名な「三ッ峠山」へ向かう尾根の周りを南北に走る林道です。
そのほとんどは富士河口湖町側を走りますが、一部富士吉田市側を走る区間もあります。
この場所を目指される方は、高速道路等のICからのアクセスを考えると南側から林道に入る方が多いと推察しますが、
富士吉田市側からも富士河口湖町側からもこの林道に入っていく事ができます。
ただ富士河口湖町側からの進入路は多少わかりにくいのと、居住区域の終わりあたりに
車高の低い車ではおなかを打ちそうな急な登り⇒平たんな道に移る時の段差があります。普通の車高があれば問題ありません。
林道はその区間によって「富士吉田市管理区間」と「山梨県管理区間」に分かれますが、
両方の道路状況や道幅などの差はありません。
林道ですが南側入り口から少なくとも今回案内の運用ポイントまでは全区間舗装道です。
一部で舗装がいたんでいる場所もあり、多少のデコボコはありますが
4WDでないと走れないような道ではありません。
この林道では随所に車同士がすれちがえるように小さな路側帯がありますが、カーブが多くカーブミラーも少なく
速度は十分落として走行すべきでしょう。
また路側帯はほとんどが狭く林に囲まれた中にありますので、そこでのアンテナをあげた上での運用は望ましくありません。
アンテナの設営まで可能そうな林道沿いの広めの場所は、おそらく富士吉田市区間では
「増田誠の碑」がある前の広場くらいと思います。ただしそこも林に囲まれています。
そして富士河口湖町区間では、一番奥の深い森に囲まれた三ッ峠山登山口の駐車場を除いては
この案内の場所が駐車スペースのある一番広い場所です。ただしここも東半分は山の稜線にブロックされて望めません。
西側は下のCGビューのように開けてはいますが、この方向にも薄く立木があります。
VHF以上では50MHzや144MHzではあまり影響は感じませんでしたが、430MHz以上では影響を感じました。
標高はこの場所でおよそ1330mあります。すぐ下に見える河口湖湖面からはおよそ500mアップした場所になります。
日帰り移動のQSOの成果としては、50MHzFT8では関西は十分に強く、弱いながら稜線の陰の南関東も交信出来ました。
144MHzFT8も同様でしたが、一部東北も見えていましたので、おそらく富士山反射も絡んだのかと思います。
430MHzFT8では関西と四国とも交信いただけました。1200MHzFT8では関西とも交信いただけています。
この場所の立木は針葉樹が多いですが中には広葉樹もあり、盛夏には草もボウボウになる上に
少ないながらブヨや他の人を刺す虫もいるので、季節的には早春か晩秋の訪問の方がいいかも知れません。
ただしこの林道は冬季は閉鎖されます。
尚この富士河口湖町や富士吉田市及び北側の笛吹市の山側などは、クマの生息地です。
地元自治体に報告されている目撃情報は、この林道上だけでも最低でも年に一回はあります。
目撃されていない出没はそこそこの頻度があるものと推測されます。
実際今回の当局の訪問の約10日前に、4Km位離れた場所で目撃情報がありました。4Kmなら十分クマの行動範囲です。
設営・撤収の際や運用中には適時クラクションを鳴らしたり、
爆竹などの音の出る花火を鳴らして周りにいるかも知れない野生動物にシグナルを送ってください。
その意味からもここでの宿泊移動は控えるべきでしょう。
日帰りでも到着・設営は明るくなってから、そして撤収は明るい間に終わらせるのが鉄則と思います。
もともと泊りがけのつもりでおられた方は、夜は近隣の街中に複数ある「道の駅」などに退避をお薦めします。
ただ観光地の道の駅ですので、連休中など夜も満杯かそれに近くなる事があり注意が必要です。
この林道での運用中の他の車の通行は、連休中にもかかわらず少なかったです。小型車・バイク共に数台程度でした。
この林道の奥に三ッ峠山の登山口の駐車場がありますが、おそらくそこを目指す方は
御坂トンネルの旧道から直接駐車場方面につながる道もありますので、そちらから行き来されていらっしゃるものと思います。
わざわざ林道を経由して市街地まで降りて行かれる方は少数なのであろうと思います。
この場所はNTT Docomoの携帯電話は針5っの内4っが立つ程度の圏内です。ただし前後の区間は圏外になる所もあります。
尚この場所にははお手洗い・水道などはありません。注意ください。
またこの案内地から400~500m下った林道上には、西側に何も視界を遮るものがない富士山と河口湖の絶景スポットがありますが、
残念ながらそこには車の駐車スペースがありません。そこでは運用が出来ません。下に写真だけ掲載しました。
この場所の北緯と東経を下に示します。
『』の中の赤文字の部分をコピペして、グーグルアースかグーグルマップの検索欄に埋め込んでいただいて検索ボタンを押せば、
画像が現地に飛びます。 またこの林道はストリートビューも通っていますので、参照いただけます。
『 35°31'57.29"N138°47'45.09"E 』
現地の拡大地図です。三ッ峠山への稜線の西側になります。
少し引いた地図です。木々の間から河口湖が下に見える場所です。
引いた地図です。高速道でこの地区に入る方は中央高速経由なら「河口湖IC」、東富士五湖道路経由なら「富士吉田IC」経由になります。
林道をわかり易くした地図です。富士吉田側・富士河口湖側どちらからでも入れます。富士吉田側は「富士山・五重塔・桜」で特に
外国人観光客に人気の浅間公園忠霊塔の西側の谷を奥まで入っていきます。富士河口湖側は「鐘突堂入口」の信号を山側に入ります。
地図上濃い青線は林道の富士吉田市管理区間。赤線は林道の山梨県管理区間を意味します。地図上①の意味は次の写真を参照ください。
前の地図上①の場所で2018年台風24号の被害で大規模な斜面崩落が発生しました。下の写真がその前後の様子です。
この崩落で林道の富士吉田市管理区間は2~3年通行止めになりました。逆によくこの大崩落でその程度で再開通させたと思います。
大雨・台風などの後にこの地域に移動を計画される場合には山梨県の林道通行規制情報のサイトをよくチェックして下さい。
現地上空からの西側を向いた鳥観図です。
現地上空からの東側の鳥観図です。三ッ峠山の稜線の陰になり、直接は望めません。
現地から西向きのCGビューです。実際は薄く立木が邪魔しますが、それが無ければこのようなビューが広がります。
現地から都心までの断面図です。目の前の壁が大きすぎます。
現地から都心までの直線図です。その目の前の壁を越せば後は大きな障壁はありません。
現地から大阪までの断面図です。
現地から大阪までの直線図です。何とか南アルプスを越せば、というのがお判りいただけると思います。
現地の写真です。開いている方向に薄いながらも立木があります。車正面の奥に車止めとベンチがありますが使われていないようです。
現地から400mほど南に下った絶景スポット。ここで無線をやりたいところですが、駐車スペース無し。残念です。