長野県上田市(JCC:0903)千曲公園
上田市は長野県東信地方の中心都市です。
人口は約15万人。長野県内で長野市・松本市に続く三番目の規模です。
北陸新幹線の停車駅があり、その車窓からも見える上田城跡の春の桜はそれは見事です。
上田市は平成18年3月6日の周辺自治体との合併で面積が非常に広くなりました。
当時の丸子町・真田町・武石村が上田市となり、標高2000m近い美ヶ原もその中に含まれるため、
V・Uで確実に電波を遠くまで飛ばすには、車での設営場所があるならば、そちらを選べば問題はないでしょう。
しかし上田市中心部から遠いうえ、有名な観光地でもありますので、無線環境としては良い場所ではないのではないかと想像しています。
(ただし当局もかなり長い間行っていないので最新の状況はわかりません)
しかしこの上田市には、美ヶ原と比べると標高を落とすものの、
車で入る事ができて市街地に近く手軽で、関東方面にロケの良いFBな移動地がありますので
今回そちらを紹介させていただきます。
それは中心市街地から西方向に向かい、坂城町との境界近くの丘の上にある「千曲公園」です。
標高は高くありません。530m~540m位でしょうか。
この丘のすぐ下に道の駅がありますが、そことの標高差は100m程度です。
この公園で特筆すべきは、その標高にそぐわないFBな眺望と興味深いロケーションにあります。
この公園からは市街が見渡せ、上田盆地もほぼ全体、その先の佐久盆地まで眺望が開けます。
更にその佐久の先には荒船山とその周辺の山々が遠くに小さく見え、実はその先が関東方面になっている為、
グランドウェーブでプラス山岳回折が狙えるバンドの運用には、非常に面白い伝搬が期待できる移動地になっています。
アクセスは、上田市街や上信越道の上田菅平ICからでしたらR18号上田バイパスから
市の西部にある道の駅の「上田道と川の駅」を目指します。千曲公園のある丘は、そのすぐ目の前です。
道の駅を過ぎたら岩鼻トンネルを通過してすぐの住宅地の中を上る道に左折します。
そこから千曲公園はすぐです。いくつか曲がり角がありますが、案内板はしっかりしています。
路面は最後の曲がり角以降がダートですが、フラットで普通車でも十分走れます。
丘の上にはいくつかの電波施設があり、一番奥のNTTドコモの更に奥が広い駐車場になっていますので、そこで運用します。
その奥の公園地は車止めがあり入れません。そちらへは徒歩のみです。
グーグルの画像などで見ると、駐車スペースから上田市街や関東方面には更に高く土手か何かがブロックしているように見えますが、
そのような事はありませんでした。
ただ、背の高い草や木々で直接の眺望はありません。
車止めの先に入るとそれぞれの方向に直接の眺望があります。
公園の先端には千曲川方向に向かって断崖絶壁になっています。危険なところには入らないでください。
またこの公園とその一帯も桜の名所になっています。桜のシーズンの移動は避けた方がいいでしょう。
駐車場の中には簡易なものですが、お手洗いもあります。
ここでのカーラジオでのワッチでは、FM放送で82.5MHzのNHK FM東京が比較的良く聞こえました。
80.0MHzのTOKYO FMは、かすかに聞こえる程度でした。
50MHzの運用で東京ビーコンはQSBのピークで聞こえました。
また、直接抜けていると思われる埼玉中部から群馬方面の局の信号は強力でした。
当局がここにお邪魔したのは8月の旧盆時期でしたが、夏枯れCONDXの平日でしたので交信局数は伸びませんでした。
ぜひ各局もグランドウェーブの伸びが期待できる季節の週末に、ここでの運用を試してみて下さい。
尚この場所からは、東から南東方面と同じく千曲川の谷が開いている北西(千曲市・長野市方面)は開いていますが、
西日本方面には山があり、その方向はV・Uのグランドウェーブは望めません。
また上田市の情報によると、周辺の山にはクマの目撃情報があるうえ、公園の周辺にもイノシシが出るそうです。
しかし公園は切れ目があるものの、一応金網で囲まれています。
市内の局からの情報によると、公園に訪れている人がクマに襲われたなどという話は聞いた事が無いそうです。
最後に現地の詳細情報を記しておきます。
『 36°24'28.65"N 138°12'04.87"E 』 赤文字の部分をグーグルアースの検索の部分にコピペしていただいて、
検索ボタンをクリックいただくと画像が現地に飛びます。 参照にして下さい。
現地の拡大地図です。すぐ千曲川沿いです。
少し引いた地図です。上田市街から近いのと、美ヶ原が遠いのがおわかりいただけると思います。
千曲公園の案内です。
公園地内からの東南東の眺望。標高がそれほどでもない割には見事なロケーションです。
公園から東~南東中心のCGビューです。都心方面にも良く開けているように見えます。
千曲公園から都心までの断面図です。
二つの大きなピークは長野・群馬県境の荒船山と群馬県上野村の日影山です。何となく都心までの二段山岳回折を期待したくなる構図です。
荒船山と日影山に挟まれた深い谷は、群馬県甘楽郡南牧村の中心部分です。そこがいかに谷深い場所か、はからずも見てとれる図です。
赤い線は千曲公園と都心を結ぶ線です。二つの山はこのようにその直線にほぼ乗っかります。
日影山は群馬県上野村で最北東部の、頂上直下に車で入れるテラス展望台がある事で有名な山です。こちらも移動地として人気の場所です。
千曲公園と都心の直線図+日影山からの可視図(ピンク色部分)ですが、意外と都心部に伸びていません。それは・・・
日影山の先、都心との真ん中くらいで、秩父の正丸峠あたりの山がわずかに邪魔をしているんです。
でもこのくらいのかぶりでしたら、電波は更に回折して進んでいく事でしょう。
千曲公園現地での写真。後ろはNTTドコモ。この駐車場はむしろこの中継所の地面より少し高くなっています。
千曲公園の下の道の駅から撮影した千曲公園のある丘。この断崖絶壁故に身を投げる人が出るそうです。